社長の理想を見える化する管理会計

経営コンサルタントの視点から、様々なエピソードや事例を紹介。経営学を深堀りし、その根幹に迫ります。

【管理会計篇】銀行が見る数字と、社長が見るべき数字は違う

銀行が見る数字と社長が見るべき数字

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会社にはたくさんの数字があります。

売上高、利益、自己資本比率、借入金、現金残高、資産、負債…。

しかし、同じ会社の数字でも、「銀行が見ている数字」と「社長が本当に見るべき数字」は必ずしも一致しません。

ここを勘違いすると、銀行からの評価は良くても会社の経営は苦しくなったり、逆に利益が出ていても資金繰りに悩まされたりすることがあります。

 

銀行が重視するのは「返済できる会社か」

銀行の役割は、お金を貸し、そのお金を確実に回収することです。

そのため、銀行が最も気にするのは、「この会社は借りたお金を返済できるのか」という点です。

そこで注目されるのが、

  • 自己資本比率
  • 債務超過かどうか
  • 借入金の残高
  • キャッシュフロー
  • 利益の安定性
  • 債務償還年数

といった財務指標です。

もちろん売上や利益も見ますが、それ以上に「安全性」と「返済能力」を重視しています。

つまり銀行は、会社を「金融機関の視点」で評価しているのです。

一方、社長が見るべき数字は「未来をつくる数字」

経営者の仕事は、お金を貸すことではありません。

会社を成長させ、利益を生み出し、社員とその家族を守ることです。

そのため社長が見るべき数字は、銀行とは少し違います。

例えば、

  • 商品ごとの利益率
  • 部門別採算
  • 顧客ごとの利益
  • 損益分岐点売上高
  • 限界利益
  • 一人当たり付加価値
  • リピート率
  • 在庫回転率

こうした数字は、決算書だけを見ていても分かりません。

しかし、これらの数字こそが「利益が残る会社」をつくるための重要な経営指標なのです。

 

売上だけでは会社は良くならない

「今月は売上が伸びた。」

この言葉だけでは、会社が良くなったとは言えません。

利益率が下がっているかもしれません。

値引きをして利益を削っているかもしれません。

利益が出ていても、売掛金が増えて資金繰りが悪化しているかもしれません。

数字には必ず背景があります。

表面的な売上だけを見る経営では、本当の問題は見えてきません。

 

財務会計と管理会計は目的が違う

決算書は、銀行や税務署、株主など外部へ会社の状況を報告するための数字です。

一方、管理会計は、経営判断をするための数字です。

「どの商品を伸ばすべきか」

「どの取引先が利益を生んでいるのか」

「どこにムダがあるのか」

こうした問いに答えてくれるのが管理会計です。

つまり、銀行が見る数字は「過去の結果」を評価する数字であり、社長が見るべき数字は「未来を変えるため」の数字なのです。

 

数字を見る目的を間違えない

もちろん銀行の評価も大切です。

資金調達は企業経営に欠かせません。

しかし、銀行に評価される会社を目指すだけでは、本当に強い会社にはなれません。

社長が毎日向き合うべき数字は、「利益を生み出す仕組み」を改善するための数字です。

数字は、過去を説明するためだけに存在するものではありません。

未来を選び、行動を変え、会社を成長させるためにあります。

銀行が見る数字と、社長が見る数字。

その違いを理解した瞬間から、経営は「結果を見る仕事」から「未来をつくる仕事」へと変わります。

そして、その未来をつくる最大の武器こそが、管理会計なのです。